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担保定額貯金とはどんな貯金?
総合口座に預ける定額貯金
担保定額貯金とはゆうちょ銀行の総合口座通帳に預ける定額貯金です。
総合口座通帳とは、通常貯金通帳と定額貯金通帳が一体になった通帳で、普通預金通帳の裏面が定額貯金通帳になっています。
この通帳の定額貯金に預ける預金を担保定額預金と言います。
貯金金額は1,000円から
担保定額預金は1,000円から預けることができます。
1口の預入金額は1,000円、5,000円、1万円、5万円、10万円、50万円、100万円又は300万円の8種類のうち、預入金額が割り切れる最大の金額が適用されます。
例えば預入金額が30万円の場合は、1口の預入金額が10万円、口数は3口になります。
期間は半年で以降は払出し自由
担保定額貯金の預入期間は半年です。
半年間預け入れればその後は自由に払い出すことができ、預入期間が長くなると、段階的に金利が上がっていくのが原則です。
半年複利で利子がつく
預入期間は半年ですので、半年経過すれば利息が複利でつきます。
ちなみに複利とは、利息が預入元本に加算されることで、10万円の預金に100円の利息がついたら、その後の預入元本は10万100円になり、次の満期には10万100円に対して利息がつきます。
利息に利息が付くので、単利よりも複利の方が得になります。
定額貯金はいつでも払い出すことができる通常貯金と比較して、一定期間払い出すことが原則的には不可能です。
ゆうちょ銀行とすれば、通常貯金よりも貯金を安定して確保できるので、通常貯金よりも定額貯金の方が金利は高くなります。
また、預入期間が長ければ長いほど、より長い期間預金を確保することができるので、金利が高くなるのが原則です。
しかし、最近は日銀のマイナス金利政策や長期金利の下落もあり、預金金利は歴史的な低金利です。
https://www.jp-bank.japanpost.jp/kinri/kinri.html
貯金担保自動貸付を利用できるのが最大の特徴
担保定額貯金は通常貯金と定額貯金を1つの通帳で管理できるという利便性があります。
しかし、その最大の特徴は、担保定額貯金を預入すると、貯金担保自動貸付という貸付金を利用することができるという点です。
貯金担保自動貸付については後ほど詳しく解説しますが、ゆうちょ銀行には貸付商品がありません。
以前は、スルガ銀行のカードローンと住宅ローンを代理販売する貸付商品がありましたが、スルガ銀行の不祥事以降、取り扱いを休止しています。
したがって、担保定額貯金を預けると利用することができる、貯金担保自動貸付だけがゆうちょ銀行でお金を借りる唯一の方法なのです。
10年経過後は全額払い出され、普通預金に入金される
担保定額貯金は10年間しか預け入れることができません。
預入期間が10年経過すると、自動的に払い出しが行われ、元本と利息は普通預金に入金されます。
その後、再び担保定額貯金に預け入れることもできます。
普通の定額貯金との違い
ゆうちょ銀行には普通の定額貯金も存在します。
普通の定額貯金と担保定額貯金はどう違うのでしょうか?
総合口座ではなく通帳や証書で預ける定額貯金
普通の定額貯金は、総合口座ではなく、定額貯金通帳や預金証書によって預けます。
つまり、普通預金とは別に管理を行います。
6ヶ月経過後は払出し自由
普通の定額貯金も預入期間は6ヶ月で、6ヶ月経過すれば払い出しは自由です。
最低6ヶ月という期間を預ける前提の預金ですので、いつでも払い出すことができる普通預金よりも高い金利が適用されるのが原則です。
6ヶ月経過後は3年まで段階金利を適用
6ヶ月を経過して預ければ、3年まで段階的に金利が上がっていきます。
期間が長くなるほど金利が上がっていく仕組みとなっていますが、やはり担保定額貯金と同様に低金利のままとなっています。
銀行は1日でも長く預金を置いておいてほしいものですが、今は日銀のマイナス金利政策によって、運用することができない預金は銀行にとってコストになるだけです。
そのため、定額貯金に置いておいても利息はほとんど付きません。
利息は半年複利で計算
担保定額貯金と同様に、普通の定額貯金も利息は半年複利で運用されます。
貯金担保自動貸付は利用できない
担保定額貯金と普通の定額貯金で最も異なる点は、貯金担保自動貸付を利用することができないという点です。
普通の定額貯金にお金を預けてもゆうちょ銀行からお金を借りることはできません。
普通の定額貯金と担保定額貯金の違いは、どの通帳へ預入するのかということと、貯金担保自動貸付を利用することができないという点だと理解しておけば間違いありません。
貯金担保自動貸付とは?
総合口座へ担保定額貯金を預けると、貯金担保自動貸付を利用することができますが、貯金担保自動貸付とはどのような貸付制度なのでしょうか?
担保定額貯金の範囲内で借入ができる
総合口座に預けた担保定額貯金の範囲内でいつでも借入をすることができます。
担保定額貯金に100万円預けたとすると、100万円までは貯金担保自動貸付で借りることができるのです。
借入をする=普通預金をマイナスにできる
借入をすると言っても、毎月の返済義務があるわけでも、別途ローンの契約書が必要になるわけでもありません。
貯金担保自動貸付でお金を借りるということは、普通預金をマイナスにすることができるということです。
例えば、担保定額貯金に100万円預け普通預金が0円の状態で、キャッシュカードで50万円を引き出すと、普通預金の残高は「-50万円」となります。
考えてみれば、担保になっている預金はそもそも自分の預金ですので、定額貯金を崩して引き出していることと同じです。
このため、貯金担保自動貸付は審査も契約もなく、担保定額貯金に預入をするだけですぐに借入が可能になるのです。
借入分は定額預金の解約ができない
貯金担保自動貸付で借りている金額分の担保定額貯金は解約することはできません。
例えば担保定額貯金に100万円預入があり、貯金担保自動貸付で50万円借りている場合には、未使用分である50万円の定額貯金しか解約することはできません。
担保定額貯金の預金はあくまでも担保ですので、貯金担保自動貸付が返済されない時には担保定額貯金と相殺して返済します。
このため、借りている金額分の担保定額貯金は解約できないのです。
引き落としがあった時に口座残高が不足していても自動貸付によって決済可能
総合口座の普通預金に何かの引き落としがあった時に、普通預金の残高が不足していても貯金担保自動貸付によって決済することが可能です。
例えば普通預金残高5,000円の状態で、電気料金12,000円の引き落としがかかると、差額の7,000円を貯金担保自動貸付によって自動的に貸付を行い、引き落としを成立させてくれます。
金利は預金金利プラス0.25%
貯金担保自動貸付には利息がかかります。
担保定額貯金の金利プラス0.25%と決まっています。
ただし、担保定額預金の利息は自分が受け取る分ですので、実質的な金利負担は担保定額預金の金利に関わらず0.25%ということになります。
使い道は自由ですし、ATMからいつでも引き出すことができるという点はカードローンに近いですが、カードローンの金利と比較すると圧倒的に低い金利です。
また、銀行でも同じように預金担保貸付があり、その金利は一般的に預金金利プラス0.5%です。
このため、銀行よりもゆうちょ銀行の貯金担保自動貸付の方が低い負担で借りることができます。
返済方法は普通預金に入金するだけ
貯金担保自動貸付は、普通預金をマイナスにすることでお金を借りる方法です。
返済方法は普通預金に入金するだけです。
貯金担保自動貸付で10万円を借りた場合の通帳残高は-10万円と表記されますが、ここに3万円入金すると、通帳表記は-7万円になります。
借入残高の確認も返済も非常に簡単です。
支払い不能を防ぎたいときに便利
担保定額貯金にいくらか入金しておけば、貯金担保自動貸付を利用することができるので、普通預金に何かの引き落としがかかった時に口座残高が足りなくても、支払不能を防ぐことができます。
「残高不足が心配」という人は、貯金担保自動貸付を利用すると便利です。
お金に困っていない人でもこのような理由から10万円ほど、担保定額貯金に預金をしている人は少なくありません。
急な出費に備えたいときの予防策に便利
貯金担保自動貸付は、ATMからいつでもどこでもキャッシュカードを使用して引き出すことができます。
カードローンと同じ機能で、カードローンよりも圧倒的に金利が低いので、急な出費に備えたいという人には非常に便利です。
自分の預金を担保にお金を借りているだけですので、「お金が必要な時に定額貯金を解約すればいい」と考える人も多いのですが、定額貯金は窓口でしか解約できないので、ゆうちょ銀行が営業している時間しかお金を引き出すことができません。
しかし、担保定額貯金に預金をしておけば、休日でも夜間でも、担保定額貯金分だけはいつでも引き出すことができます。
ゆうちょ銀行に預金をするのであれば、いざという時のために、総合口座の担保定額貯金へ預けておけば、いつでもお金を引き出すことができます。
ゆうちょ銀行の担保定額貯金 貯金担保自動貸付け まとめ
担保定額貯金とは総合口座へ定額貯金を行うことで、担保定額貯金の範囲内で普通預金をマイナスにし、お金を借りることができます。
審査なしでお金を借りることができ、実質的な金利負担は0.25%と低金利です。
残高不足による口座振替不能の予防にもなります。普段からゆうちょ銀行普通預金を決済用口座として利用している人も活用できる方法ですので、借入の希望がない人も覚えておきましょう。