自営業だとカードローンの審査に通らないということをよく耳にする機会が多いですが、実際のところどうなのでしょうか?
目次
自営業者はカードローン審査に通りにくい業種であるのは間違いない
カードローン審査は、申込情報を点数化するスコアリングという作業によって審査を行います。
どの項目に何点つけるかなどは銀行やローン会社によって異なりますが、職業に関して言えば、得点の高い順に並べると以下の順番になります。
①上場企業会社員、公務員②そのほかの給与所得者③中小企業経営者、自営業・フリーランス(個人事業主)
スコアリングの際に、自営業者は最も低い配点となることは間違いないようです。
自営業者は審査に通らないというよりも、スコアリングの際に、公務員や給与所得者よりも高ポイントが稼げないため、審査の際には最初から他の職業よりもビハインドを抱えた状態からスタートするといえるでしょう。
そのため、自営業者は最も審査に通過しにくい職業であると言えます。
自営業者はカードローン審査になぜ通りにくいのか
では、なぜ自営業者はカードローン審査の際に最も低い配点となってしまうのでしょうか?理由としては以下の4点を挙げることができます。
事業自体が不安定
自営業者は自分1人もしくは、奥さんと2人で事業を営んでいるような小規模の事業者である場合がほとんどです。
このような場合にはたいてい、大企業と比べて事業は不安定ですし、たとえ今の所得が500万円あったとしても来年には同じような所得があるとは限りません。
このため個人が借りるローンの中ではもっとも審査に厳しいと言われる住宅ローン審査などでは、事業の安定性を審査するため、過去3年分の確定申告書の提出を求められる場合もありますし、開業後最低3年間は住宅ローンの場合には融資に応じてくれないような場合がほとんどです。
カードローン審査の際には、わざわざ過去の確定申告書をチェックするようなことまではしないため、最初から低い配点で審査を厳しく行うようになっています。
退職金が望めない
カードローンは1度借りたら返済状況に問題がない限りはカードローンごとに定められた上限年齢(カードによって異なるが62歳~70歳くらいまで)になるまで、ずっと契約が自動更新される商品です。
高齢になった時に契約更新不可の年齢になると、給与所得者などは退職金などで一括返済する例が実はかなり多いのですが、自営業者には定年退職もなければ退職金もありません。
また、厚生年金や共済年金などで老後一定の生活資金の保証がある給与所得者や公務員と比べて、自営業者は国民年金だけです。このため、自営業者は高齢になればなるほど返済が苦しくなることが予想されるため、銀行やローン会社にとっては長期的な貸し倒れリスクが高いと言えます。
退職金もなければ国民年金しかない自営業者は高齢になった時の返済リスクが給与所得者よりも高いと考えられるため、審査に通りにくい業種であるとも言えます。
所得が少なくなっている
自営業者は節税のために生活費の大部分を経費計上している場合があります。
例えば給与所得者が給料を500万円稼ぎ、生活費に400万円かかった場合には、手元に残ったり税金の支払いに充てるお金は100万円です。給与所得者の所得は生活費を差し引く前の500万円が審査の際には所得とみなされます。
一方、自営業者は節税のために所得を少なくすることができます。売上が700万円あり、仕事に必要な経費は200万円であり、そのほか生活費400万円を経費計上したとします。この場合の所得額は700万円-200万円-400万円=100万円となります。
給与所得者と同じだけの生活費が400万円かかっているとすればこの自営業者と給与所得者の生活水準は同じはずです。
また、給与所得者は500万円の所得に所得税が課税されるのに対して、自営業者の方は生活費を差し引いた100万円に所得税が課税されるため、手元に残るお金はむしろ自営業者の方が多くなります。
しかしながら、ローン審査の際に所得をみなされるのはあくまでも課税所得です。
つまり、この場合であれば給与所得者は500万円、自営業者は100万円となります。
同じ生活水準で生活していたとしても自営業者の方が課税所得が少なくなる傾向にあるため、審査の際に参考にされる所得が自営業者は低くなってしまいます。
この点も自営業者が審査に通過しにくいと言われる所以です。
これはカードローン審査だけでなくすべてのローンに言えることで、特に審査に厳しい住宅ローンでは、所得が低く設定されている自営業者が審査に通過するのは銀行員時代には至難の業であったと記憶しています。
事業資金にローンを利用される可能性が高い
自営業者にとって生活費と事業にかかる経費の区分は曖昧です。
たとえば自宅で事業を営んでいる場合には、自宅の賃料のうちどこからが事業に使うもので、どこからが生活に使うものかなどの区別がつかないため、通常はこのような賃料はすべて事業の経費に算入しています。
そもそも多くの自営業者が確定申告書上、生活費の多くを事業の経費として計上してしまっている以上、生活費と事業の経費は混在していることが自営業者の宿命であるとも言えます。
そのため、生活費としてカードローンを利用したとしても、その領収書が事業の経費として確定申告書に計上される可能性があります。
カードローンは何に使っても自由ですが、事業資金にだけは使用することはできません。
実際に事業に使っていても、また、生活費などに使用したとしても、生活と事業が一体化した個人事業主は結果として最も事業資金へローンのお金が回ってしまう可能性が高い職業であると言われるため、スコアリングの配点が最も低い業種です。
自営業者がカードローン審査に通過するには
筆者も今は自営業者ですが、メガバンクのカードローンの審査に最も低い金利で通過することができました。
スコアリングの配点で職業では高得点を獲得できなくても、他のポイントで問題なければ自営業者でも十分にカードローンの審査に通過できる可能性があります。
個人信用情報が綺麗であること
審査の基本は個人信用情報の照会です。
ここに問題がなければ、借入金額がいくらであれ、審査に通過できる可能性は高くなるといえるでしょう。
収入がいくらでも、勤務先がどこでも、借りたお金を期日通りに返済するかどうかは、その人個人の性格に起因する部分が大きいと言えます。いくら収入があっても浪費する人は浪費するし、期日にルーズな人はルーズであるためです。
一方、収入が低くても払うべきものは、何に優先しても支払うという人もいます。
そのため、個人信用情報に問題がないことが審査に通過するための大部分の条件で、その後の審査はあくまでも審査を補完するためのものと、融資金額を決定するためであると言っても過言ではありません。
借入額の倍程度の年収があれば問題ない
カードローン審査において年収は借入額の倍程度の年収が必要になると言われています。
そのため、カードローンの借入額が200万円であれば400万円以上の年収が必要になると言われています。
自営業者で課税所得を低く設定している人は、収入確認の必要がないカードローンへ申し込んで、生活費を計上する以前の本当の収入を記載するという方法も1つのテクニックではあります。
確定申告書を提出する必要がないため、本当の手取りの収入を書いても、課税所得と異なることを審査担当者は分かりようがありません。
ただし、もしも銀行にバレた場合には、期限の利益喪失の可能性もありますので、リスクを十分に承知して、自己責任で申し込むようにしてください。
勤務先の在籍確認ができる状態か
フリーランスの中には、勤務先が自宅であるため、携帯電話しか電話がないという人も少なくありません。
カードローン審査には、勤務先に審査担当者が電話をかけて確認する勤務先の在籍確認という作業があります。この際に携帯電話しか電話番号がない場合には「勤務先には」在籍確認ができないことになります。
勤務先に自分が1人しかいないのであっても問題はないのですが、固定電話がないと審査の際に勤務先とは見做されないため、申込の際には固定電話を引いてから申し込むようにしましょう。
また、固定電話から携帯電話に転送されるようなことがあっても、その場合には在籍確認と見做さないと筆者は言われたことがあります。従業員がいない自営業者は自分が確実に固定電話の近くにいる時間を指定しましょう。
消費者金融の自営業者専用カードローンの活用を
消費者金融には生活費と事業資金が事実上一体化している個人事業主専用に自営業者専用カードローンというものがあります。
このカードローンは事業資金に利用することもできますが、生活資金に利用することもできます。
消費者金融からの借入は年収の3分の1以内までしか借りることができないという総量規制の縛りがあります。
しかし、自営業者専用カードローンは個人への消費資金ではなく、事業に対して融資する事業資金ですので、自営業者専用のカードローンは年収の3分の1を超える借入れも可能です。
自営業者専用カードローンは確定申告書を提出して、事業内容に対して融資を受けます。いくら申告所得を低くしていても、事業の内容に対して融資を行うため、申告所得を低くしすぎて審査に通過できないような自営業者にも融資のチャンスがあります。
銀行系カードローンよりも、消費者金融の自営業者専用カードローンの方が審査に通過しやすいため、銀行系カードローンの審査に落ちてしまった自営業者の方はこちらのカードローンの検討をおすすめします。
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