保険の相談は誰にする?どこがいい?

生命保険と損害保険の違い&保険は必要ない?人生のリスクヘッジ管理

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結婚のタイミングで保険のことを考える人も多いですが、
元々夫婦共働きだとそれほど保険に関して変化は必要なかったりもします。

ですが、絶対に保険のことを再考する必要が出てくるのが、子供が生まれたとき。

家計の大黒柱にもしものことがあった際に、大切な家族が生活や教育費に困らないようにするための死亡保障についてどう考えたら良いかを、2015年に出産し現在は子育て中のファイナンシャルプランナーが解説していきます。

 

目次

損害保険と生命保険の違いを比較

FPのN女史
保険には損害保険と生命保険があります。それぞれの特徴について抑えておきたいポイントを列挙しました。

損害保険

物に対する備え、補償です。

たとえば火災保険は、住んでいる家やお店などの建物、家具(保険用語では家財といいます)が火事で燃えたり、水害で水に浸かってしまったり、盗難にあったりするなどして損害を受けた時に、損害額を補てんしてくれるものです。

保険をかけたときには、たとえば3,000万円の火災保険をかけていれば、最高3,000万円までが補償されます。

損害額が5,000万円であっても3,000万円しかもらえません。
また、2,000万円の損害が出た場合は、2,000万円が受け取れる仕組みになっています。
かけた保険金額そのまま受け取れるものではありません。

損害保険には、このようなものがあります。

1)火災保険
火災・落雷・破裂・爆発・風災・ひょう災・雪災などで建物や家財に損害を受けた場合に補償されます。
*地震保険は、地震・噴火または、それが原因の津波によって建物や家財に損害を受けた場合に補償されます。火災保険とセットで加入する必要があります。

2)自動車保険
自動車事故による被害者救済のためや、乗っていた人の死亡、ケガ、後遺障害に備えたり、自動車の損害を補てんしたりします。

3)傷害保険
ケガをしたり、それによって後遺症が残ったりした場合に補償されます。海外旅行保険も傷害保険の一つです。

4)その他
・ゴルファー保険:
ゴルフのプレイ中におこるリスクを補償するものです。他人にケガをさせたり、自分がケガをしたり、ゴルフ用品の盗難、また、ホールインワンの際のお祝いの費用などを保障します。
・個人賠償責任保険:
日常生活における過失で、他人にケガをさせたり迷惑をかけたりした場合に補償されるものです。近年の自転車事故による損害賠償責任問題が増加していることで、損害賠償責任保険のニーズが高まっています。

参考:一般社団法人 日本損害保険協会
http://soudanguide.sonpo.or.jp/basic/1_2.html

 

生命保険

生命保険は人の命に関わることに対しての保険です。

自分が死んだときの残された家族の生活費や、病気になった時などの経済的な損失を補てんします。
また、老後生活に向けた貯金のような保険や、ガンなどの特定の病気に対して備えるものもあります。

国の保険制度である社会保険や、すでに持っている財産(預貯金)では足りない部分を補う意味あいで加入します。

生命保険は人生のリスクに応じて、死亡・長生き・病気・介護の4つにわけられます。

それぞれのリスクに対応する保険は下記のようになります。

1)死亡に備える ⇒ 死亡保険
保険の対象となる人が亡くなった場合に、受取人へ死亡保険金が支払われる。
(例:定期保険、養老保険、終身保険、収入保障保険など)

2)長生きに備える ⇒ 生存保険
保険の対象となる人が生きていたら、受取人へ保険金が支払われる。
(例:個人年金保険など)

3)病気に備える ⇒ 医療保険
保険の対象となる人が入院したり特定の病気にかかったりした時に対象となる人へ給付金が支払われる
(例:医療保険、ガン保険、特定疾病保険など)

4)介護に備える ⇒ 介護保険
保険の対象となる人が介護状態になった時に、対象となる人へ介護保険金が支払われる。
(例:介護定期保険、介護終身保険など)

 

死亡・長生き・病気・介護の4つのリスクと保険を詳しく

1)死亡に備える(お葬式代 残された家族の生活費)

人はいつか必ず死にます。
天寿を全うして亡くなる方もいれば、若くして病気で亡くなったり、突然の災害や事故で命をなくしたり、事件に巻き込まれて命を奪われたりと様々です。

私は、1995年におこった淡路大震災で祖父を亡くしました。

震災の混乱で葬儀もあげられず、親戚宅に避難していた私は死に目にも最期のお別れにも立ち会えませんでした。
「ある日突然、いなくなってしまった」そんな感覚です。

人間、いつどうなるかわからないものです。

「もし自分が死んだら、残された家族はどうなるんだろう?」
一度想像してみてください。

一家の大黒柱であるあなたが死んだら、残された家族の生活費は大丈夫なんでしょうか?
母子家庭や父子家庭になってしまったら、今のままの生活を送ることができるでしょうか。
今ある財産(預貯金、株、保険など)で足りますか?

公的保障(遺族年金)もありますが、子どもの有無や加入している年金制度によって受け取れる年金額が異なりますし、場合によっては受け取れないこともあります。

公益財団法人 生命保険文化センターの調査によれば、自分に万が一の時に残された家族の生活資金に不安を感じる人は7割にも達しています。

不安を感じる理由の多くが「公的保障だけでは不十分であること」になっています。

公的保障や現在の預貯金だけでは足りない部分を、民間の生命保険で補うことで万が一に備えることができます。

しかも、生命保険の保険金は受取人の固有の財産です。
つまり、保険を契約する時に受取人として指定した人に、お金を確実に渡すことができます。

もし、あなたに万が一のことがあっても、あなたの代わりに保険金が大切な家族の生活を守ってくれる訳ですね。

もっと詳しく死亡保障・生命保険のことを考えたい方は
FPさんの 生命保険見直し・死亡保障の必要額は?のカテゴリーへどうぞ

 

参考:公益財団法人 生命保険文化センター「万一の場合に、どんな不安がある?」
http://www.jili.or.jp/lifeplan/lifesecurity/provision/1.html

 

2)長生きに備える(自分や配偶者の老後の生活費)

「人間、いつ死ぬかわからない」と前の章で書いたものの、今や長寿の時代です。

実は60歳までに亡くなるのはわずか5%ほどしかいません。
ということは、ほとんどの方が亡くなることなく、60歳や65歳で老後生活に突入することになります。

会社を定年退職し老後生活になると、生活費としての収入がなくなってしまいます。

それを補ってくれるのが公的年金です。

しかし、公的年金は、老齢基礎年金でも月額で6,5万円程度、厚生年金では平均月額15万円程度と言われています。
これは、加入年月や、退職までの年収によって異なってきます。

さて、この金額であなたの老後は足りるでしょうか?

ゆとりある老後生活を夫婦二人で送ろうと思うと、月額33万円かかるとされています。
実際「公的年金だけでは老後の生活費をまかなうことができない」と考えている人は8割弱に達しています。
(公益財団法人 生命保険文化センター「生活保障に関する調査 平成25年」)

そこで、公的年金では足りないところを自分で補っていかなければいけません。

老後を迎えるまでに早い段階から準備をすれば、長い期間にわたって貯蓄の準備をすることができます。

また、貯蓄だけでなく投資や長期間の運用に向いている生命保険を活用して備えていくという方法もありますね。

 

参考:厚生労働省 生命表
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/20th/index.html

参考:公益財団法人 生命保険文化センター「生活保障に関する調査 平成25年」
http://www.jili.or.jp/lifeplan/lifesecurity/oldage/10.html

 

3)病気に備える(入院や手術の費用 ガンの治療費)

生きていく中で比較的身近にあるのが病気ではないでしょうか。

風邪のように2,3日安静にしていれば治るものから、急性心筋梗塞のように一刻も早く治療をしないと命にかかわるもの、脳卒中のように後遺症が残るもの、ガンのように再発の可能性があるものなど、様々です。

病気になって病院で治療を受けると医療費がかかります。

医療費は健康保険が適応されるとかかった費用の3割(年齢によっては2割)の負担ですみますが、健康保険の対象外の治療があったり、入院時には差額ベッド代がかかる場合があったりとなにかとお金がかかります。

先日、もうすぐ1歳になる私の子どもが、川崎病という病気で入院しました。
川崎病とは血管に炎症が起きる病気で、治療が遅れると動脈にこぶができてしまいます。

そのこぶが心臓の血管内にできてしまうと、心筋梗塞になるリスクが高くなってしまうため、早急な治療と治療後の経過観察が必要になります。

入院は11日間、点滴による治療がメインでした。
入院でかかった費用は、私の住んでいた自治体の助成によってほぼ無料でした。

しかし、子どもの入院には、母親である私の24時間付き添い看護が必要になり、私の食事代(子どもを病室に残して食事を買いに行くことができなかったので病院食を注文しました。1日約2,000円)や着替えの交換などで病院には20,000円ほど支払いました。

子どもの医療費助成によって費用は抑えられたとはいえ、もし自治体の補助がなかったら、医療費としては60万円ほどかかっていたので、保険適応で20万円ほど支払う必要がありました。

ただ、私たちの健康保険制度には「高額療養費制度」というものがあります。

これは、ひと月にかかった健康保険対象の治療費がある程度の金額を超えると(基準は年収によります)、
それ以上の費用は支払う必要がない、もしくは支払っても後日返金されるという制度です。

この高額療養費制度よって、月々の医療費負担はかなり抑えられます。
注意が必要な点は入院と退院の日付です。

高額療養費制度は毎月の1日~月末を「ひと月」と計算します。

たとえば、同じ20万円の医療費がかかったとします。
10月1日に入院し、20日に退院した場合と、10月20日に入院し、11月10日に退院という月をまたいだ場合とでは高額療養費制度で返金される金額が異なります。

このように、公的制度である健康保険によって私達が払う医療費はかなり抑えられます。
ありがたいことですね。

ですから、この健康保険で不足するとご自身が考える部分を民間の医療保険で補って病気に備えることになります。

 

たとえばガン。

長い入院治療というとガンの治療をイメージする方も多いかもしれませんが、ガンは長期間の入院で治療するものではなくなりつつあります。

厚生労働省による患者調査(平成26年)によると、悪性新生物による入院日数は、平成8年では平均35.8日だったのが、平成26年では18.7日と約半分の日数になっています。

ガンの治療期間は半年~5年以上と人によってばらつきがありますが、入院して治療するだけでなく、自宅で通院しながらの治療にシフトしていっていることがわかります。

すると、一般的な医療保険のように、入院や手術代を給付することをメイン+通院何日という単純なパッケージでは十分にカバーできない部分も出てきます。

また、最新の治療法を試したいという希望も出てくるかもしれません。
そういった場合は一般的な「医療保険」ではなく「がん保険」の加入を考えて方が良いわけです。

ガンなどいろいろな治療法のある病気についてはピンポイントで保障のある保険で備えたりすると安心でしょう。

 

参考:公益財団法人 生命保険文化センター「入院したときにかかる費用はどれくらい?」
http://www.jili.or.jp/lifeplan/lifesecurity/medical/4.html

参考:公益財団法人 生命保険文化センター「1日あたりの医療費(自己負担額)はどれくらい?」
http://www.jili.or.jp/lifeplan/lifesecurity/medical/5.html

参考:全国健康保険協会「高額な医療費を支払ったとき(高額療養費)」
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat310/sb3030

参考:厚生労働省 患者調査(平成26年)「退院患者の平均在院日数、年次・傷病大分類別」
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kanja/14/dl/toukei.pdf

参考:メットライフ生命保険株式会社「ガン経験者に聴いた“ガン治療”について」
http://www.metlife.co.jp/products/cancer/cx/treatment.html

 

4)介護に備える(介護にかかる費用)

介護については、介護保険制度という公的な保障があります。

40歳から64歳までの間に介護が必要になった場合は、介護状態の原因が特定の疾病(脳卒中やリウマチなど)の場合に限って介護保険を利用して介護サービスを受けることができます。

65歳以降は原因を問わず、介護が必要になれば介護サービスを受けることができます。

平成12年(2000年)にスタートした公的な制度で、この介護サービスを支えるために40歳から国民はみんな介護保険料を支払っていく必要があります。
※介護保険料は健康保険料と一緒に徴収されます。

この介護保険は、介護状態になったら誰でも継続的に高水準の介護サービスを受けられる制度というわけではありません。

年齢によって異なることは先に書きましたが、介護保険制度では要介護度の認定が定期的に行われます。

要介護度の高さによって介護サービスの限度額が異なり、
要介護1では月に49,700円までしか介護保険を使えませんが、要介護5になると358,300円使うことができます。

ただし、利用時に1割を負担しないといけないため、
要介護1では4,970円、要介護5では35,830円を毎月自己負担する必要があります。

つまり、介護保険制度があるからといって、介護状態になっても安心というわけではないんです。
月々の利用者の負担金額だけでなく、日々の食事やおむつ代などは別途、介護を受ける人の負担となります。

24時間介護が必要になった際は介護施設への入所も検討できますが、費用の安い施設は入所するために順番待ちをしないといけないことが多く、すぐに入居できるところは費用が高い場合があります。

すると、希望の施設が見つかるまで自宅で介護をする場合もありえます。
そうなれば、介護者の身体的、経済的なリスクも高くなります。

介護離職という言葉ありますが、介護でお金も時間も手間もかかるのに、介護者が仕事を続けられなくなり、離職してしまうという負のスパイラルが起こってしまいます。

介護保険制度もこれから高齢化が進む中でどのようになるかがわかりません。
介護状態になった場合に備えて、老後資金と同様にある程度資金を準備しておきたいところです。

 

参考:厚生労働省「介護保険制度」http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12300000-Roukenkyoku/201602kaigohokenntoha_2.pdf

 

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