死亡保障はいくら必要?生命保険の選び方

子供のいない家庭で生命保険の死亡保障いくら必要か?遺族年金の金額も

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新婚でまだ子どもがいない家庭で万が一のことがあったら…、年の差婚で夫がかなり年上(または年下)だったら…結婚や家族にもいろいろなパターンがあります。

死亡保障を考える時によく見るのが、『会社員の夫、専業主婦の妻、子ども2人』という典型的な家族構成ですが、働き方や家族の在り方もいろいろあって良いものと思います。

そこで、今回は、いろいろなパターンの家族構成での死亡保障についてまとめてみました。

新婚夫婦(夫 会社員、妻30歳未満)で子どもがいない場合の死亡保障
新婚夫婦(夫 自営業、妻30歳未満)で子どもがいない場合の死亡保障
子どもがいない、またはすでに18歳以上である場合の死亡保障(夫 会社員)
子どもがいない、またはすでに18歳以上である場合の死亡保障(夫 自営業)

年の差婚の場合の死亡保障

 

目次

新婚夫婦で子どもがまだいない家庭の場合

新婚夫婦(夫 会社員 妻30歳未満)で子どもがいない場合の死亡保障

会社員の夫33歳、専業主婦の妻28歳、子どもがいない新婚家庭で、夫に万が一のことがあった場合を考えてみます。
妻が受け取れる遺族年金ですが、子どもがいる妻は、子どもの加算を含めて遺族基礎年金と遺族厚生年金を合わせて月額13万円ほど(子ども1人、死亡時の夫の標準報酬月額35万円で計算)受け取れますが、今回のように子どもがいなくて30歳未満の妻だとこの金額は受け取れません。

社会保障としての遺族年金は、『子どもを養うこと』に重きを置いています。子どものいない30歳未満の妻が受け取れるのは、遺族厚生年金のみ、しかも5年間限定になります。なぜなら、遺族基礎年金は、子どもがいない妻には支払われないからです。また、遺族厚生年金の支給要件にも、『子のない30歳未満の妻は5年有期の支給』とあります。つまり、遺族厚生年金(標準報酬月額35万と仮定すれば、年額561,100円)の5年分で、
561,100円 × 5 =280万円ほどしか受け取れないことになります。会社員だと、会社の福利厚生で死亡退職金としていくらか(100万円程度)受け取れる場合もあるので、勤務先の弔慰金制度を確認しておくと良いでしょう。

では、夫が自営業33歳、妻が専業主婦で28歳、子どものいない家庭で夫が亡くなった場合はどうなるのでしょうか。予想は大体つくかと思います。この場合、妻は遺族年金を受け取れません。

新婚夫婦(夫 自営業 妻30歳未満)で子どもがいない場合の死亡保障

自営業の夫が亡くなった場合、妻が受け取れるのは遺族基礎年金のみです。遺族基礎年金は、18歳未満の子どもがいる配偶者にしか支給されません。つまり、子どものいない自営業の妻には1円も支給されないことになります。

妻が30歳未満の場合の遺族年金については、
・夫が会社員の場合:遺族厚生年金を5年間のみ受け取れる
・夫が自営業の場合:何ももらえない
ということがわかりました。

これは、30歳未満の年齢だと、再就職して一人でも生きていける可能性が高いのと、再婚する可能性も高いからと言われています。とはいえ、結婚して夫の仕事の都合(転勤など)で自分の仕事を辞めざるを得なかった専業主婦もいるかと思います。そのような人が、再就職するのは、今の世の中、かなり厳しいのではないでしょうか。

結婚してすぐで子どもはまだ…という方でも、大切な奥様の当面の生活資金だけでも確保できるような保障を持っておくのをおすすめします。

夫が会社員の場合、遺族年金で保障される額(280万円←標準報酬月額35万円の場合)と、死亡退職金(勤務先によって異なります)の合計額に、妻が自立して生活するのに困らない金額をあわせた額を死亡保障として持っておくのが安心でしょう。

参考:公益財団法人 生命保険文化センター『公的な遺族年金の仕組みについて知りたい』http://www.jili.or.jp/lifeplan/lifesecurity/provision/11.html
参考:日本年金機構『年金の支給(遺族年金)』http://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/izokunenkin/jukyu-yoken/20150401-02.html

 

2)子どもがいない(またはすでに18歳以上)家庭の場合

子どもがいない またはすでに18歳以上である場合の死亡保障(夫は会社員)

結婚していても子どものいない家庭もたくさんあります。子どもが欲しかったけれども授からなかった、もともと子どもは望んでいなかった、など事情も様々です。では、子どものいない家庭や、すでに子どもが18歳以上の場合はどんな公的保障があるのでしょうか。

会社員の夫36歳、専業主婦の妻33歳、結婚して5年だが子どもはまだ、という家庭を見てみます。

妻が30歳を超えているかどうかで、受け取れる遺族年金の種類や額が異なってきますね。夫の標準報酬月額35万円として、妻が受け取れる遺族年金を計算してみます。
遺族厚生年金:年額561,100円
中高齢寡婦年金:年額585,100円

妻が40歳を迎えるまでに受け取る遺族年金の額
561,100円 × (40-33)= 3,927,700円

妻が65歳を迎えるまでに受け取れる遺族年金の額
(561,100円 + 585,100円)×(65-40)=28,655,000円

妻が65歳を迎えるまでに受け取れる遺族年金は、
3,927,700円 + 28,655,000円 = 3,258万円 にもなります。

夫が会社員で子どもなしの条件が同じであっても、妻が30歳未満では280万円しか受け取れない(夫の標準報酬月額35万円と仮定)のに比べるとかなりの差ですね、

では、結婚して長いけれど子どものいない家庭では、どのような公的な保障があるのでしょうか。
会社員の夫50歳、妻46歳、結婚して20年で子どもはいない(または、すでに18歳以上)場合の公的な保障を見てみます。

子どものいないご家庭でも、夫が会社員で妻が40歳を超えていれば、中高齢寡婦加算がつきます。ただし、中高齢寡婦加算は、年額585,100円(月額にして48,758円)のため、遺族厚生年金(夫の標準報酬月額35万円と仮定すると遺族厚生年金は月額46,758円)と合わせても月額で10万円にも満たない金額です。

夫の死後、妻一人で生活するには毎月どれくらいかかるのかを計算し、最低限でも妻が老齢年金を受け取る年齢までの生活費を生命保険で備えておくと安心でしょう。(妻一人で生活するのに毎月15万円必要であれば、遺族年金との差額約5万円を毎月充当できるくらいが生命保険で補う死亡保障になります。)

また、子どもが18以上であったとしても、大学受験のために浪人していたり、大学生だったりすると今後の学費がかかります。その分もあわせて死亡保障に加算しましょう。

子どもがいない またはすでに18歳以上である場合の死亡保障(夫は自営業)

では、夫が自営業で年齢50歳、妻46歳で子どもがおらず、結婚歴20年だった場合はどうなんでしょうか。自営業の妻は遺族年金をもらえないのでは…?と想像しますよね。

実は、
・夫が国民年金第1号被保険者(自営業など)
・夫が25年以上国民年金保険料を納めている(免除期間含む)
・妻は夫と10年以上婚姻関係がある
・妻は夫によって生計を維持されていた
といった条件を満たせば、夫の死後、妻が60~64歳の時に寡婦年金を受け取ることができます。
寡婦年金の額は、夫が受けられたであろう老齢基礎年金の年額の4分の3となっているので、夫の老齢基礎年金額780,100円(←免除期間などが無い場合) × 3/4=585,075円となります。

しかし、自営業の妻の場合は寡婦年金があったとしても、受けられる公的保障の額が会社員の妻よりも少ないため、自助努力で備えていく必要があります。今は専業主婦でも、夫の死後は働くという選択肢もあるでしょう。子どもがまだ学生の場合は、まだまだお金がかかる時期なので、学費も死亡保障に加えておくようにしておくのがよいでしょう。もちろん、学資保険を活用するのも良いですが、契約時の夫の年齢や子どもの年齢によっては契約できなかったり、満期時に受け取れる保険金が払い込み保険料よりも少なくなる場合があったりするので注意してください。

参考:日本年金機構『寡婦年金を受けられるとき』http://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/tetsuduki/kyotsu/20140422.html

 

 

 

参考:公益財団法人 生命保険文化センター『病歴があったのに告知するのを忘れていたら?』
http://www.jili.or.jp/knows_learns/q_a/life_insurance/life_insurance_q7.html
参考:オリックス生命保険『新ライズ・サポート』
http://www.orixlife.co.jp/si/n_rise_support/
参考:三菱UFJ銀行『相続御手続のご案内』
http://www.bk.mufg.jp/tsukau/tetsuduki/sozoku/point.html
参考:公益財団法人 生命保険文化センター『家族が亡くなった場合、どのような手続きが必要?』
http://www.jili.or.jp/lifeplan/houseeconomy/succession/1.html
参考:公益財団法人 生命保険文化センター『死亡保険金はどのようにして受け取る?』
http://www.jili.or.jp/lifeplan/houseeconomy/succession/4.html

注)
1.このコラムでの年金制度については2016年1月時点での情報をもとに作成しています。また、各年金額については2015年の金額をもとに計算しています。
2.遺族年金の受給要件につきましては、このコラム記載以外にも細かく設定されている場合があります。詳細は日本年金機構 http://www.nenkin.go.jp/ の情報をご覧ください。
3.いろいろな家族のパターンでの遺族年金のシミュレーションにつきましては、年金の未納や免除期間が無く、満額受給可能な条件を満たしていると仮定して作成していますので、実際の受け取り額につきましては、被保険者それぞれの加入期間、標準報酬月額、未納や免除期間の有無によって異なりますことをご了承ください。
4.詳細な年金支給額につきましては、1年に一度送付される『ねんきん定期便』を確認するか、各地域の年金事務所、社会保険労務士などの専門家にお問い合わせください。

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