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ソニー銀行住宅ローンの概要
ソニー銀行住宅ローンは、オリコン住宅ローン部門で2011年?2018年まで8年連続で1位を獲得した、人気の住宅ローンです。
まずはソニー銀行住宅ローンの概要について詳しく解説していきます。
金利
ソニー銀行住宅ローンは、「変動セレクト住宅ローン」「固定セレクト住宅ローン」「住宅ローン」という3つの住宅ローンがあり、金利は自己資金が10%以上あるかないかによって、以下のように異なります。
新規購入で自己資金10%以上
金利タイプ | 固定期間 | 変動セレクト住宅ローン | 固定セレクト住宅ローン | 住宅ローン |
変動金利 | - | 0.457% | - | 0.757% |
固定金利 | 2年 | 0.755% | - | 0.655% |
3年 | 0.755% | - | 0.655% | |
5年 | 0.818% | - | 0.718% | |
7年 | 0.866% | - | 0.766% | |
10年 | 0.990% | 0.590% | 0.890% | |
15年 | 1.316% | 0.916% | 1.216% | |
20年 | 1.448% | 1.048% | 1.348% | |
20年超 | 1.564% | - | 1.464% |
借り換え/新規購入で自己資金10%未満
金利タイプ | 固定期間 | 変動セレクト住宅ローン | 固定セレクト住宅ローン | 住宅ローン |
変動金利 | - | 0.507% | - | 0.807% |
固定金利 | 2年 | 0.805% | - | 0.705% |
3年 | 0.805% | - | 0.705% | |
5年 | 0.868% | - | 0.768% | |
7年 | 0.916% | - | 0.816% | |
10年 | 1.040% | 0.640% | 0.940% | |
15年 | 1.366% | 0.966% | 1.266% | |
20年 | 1.498% | 1.098% | 1.398% | |
20年超 | 1.614% | - | 1.514% |
詳しくは後述しますが、ソニー銀行住宅ローンは、「変動金利→固定金利」「固定金利→変動金利」という変更がいつでも可能です。
この際には、変動セレクト住宅ローンや固定金利セレクト住宅ローンは、「住宅ローン」よりも低い金利へ変更することが可能です。
また、借入時から「住宅ローン」よりも低い金利で借りることができます。
ただし、「住宅ローン」は借入時の手数料が、変動セレクトや固定セレクトよりも圧倒的に低くなります。手数料について詳しくは後述します。
また、ソニー銀行住宅ローンは自己資金が10%以上あると、金利が0.05%低くなるというメリットがあります。
自己資金のあるなしで、金利が下がるのは、ソニー銀行住宅ローンの大きなメリットで、他の銀行住宅ローンにはない大きな特徴ということができます。
申込条件
ソニー銀行住宅ローンに申し込むためには以下の条件を全て満たす必要があります。
- ソニー銀行に円普通預金口座を持っている人
- 申込時の年齢が満20歳以上、満65歳未満で、完済時の年齢が満80歳の誕生日までの人
- 前年度の年収(自営業の人は申告所得)が400万円以上の人
- ソニー銀行指定保険会社の団体信用生命保険に加入ができる人
- 対象物件にソニー銀行の抵当権第1位を設定できる人
手数料
ソニー銀行の住宅ローンは手数料が住宅ローンの種類によって異なります。
住宅ローン
借り入れ時に、43,200円(消費税込み)
変動セレクト住宅ローン・固定セレクト住宅ローン
借り入れ時に、融資金額に対して2.16%(消費税込み)の取り扱い手数料が必要
変動セレクト・固定セレクト住宅ローンの方が金利が低いですが、手数料に関しては「住宅ローン」の方が圧倒的に低くなります。
「住宅ローン」の方は、いくら借りて43,200円の手数料ですが、「変動セレクト・固定セレクト住宅ローン」を例えば2,000万円借りた場合には、432,000円も手数料が必要になります。
少額で短期間だけ借りたい時には、手数料の低い住宅ローンを借りた方がメリットがあります。
住宅ローンを借りる時には、完済時までの利息負担と、手数料負担をよく勘案して、メリットが大きい方に申込をするようにしましょう。
ソニー銀行住宅ローンの特徴
ソニー銀行住宅ローンは、コースによって金利や手数料が異なるという点以外にも様々な特徴があります。
ソニー銀行住宅ローンを他の住宅ローンと比較した際に特徴的な点について詳しく解説していきたいと思います。
金利タイプの変更が何度でも可能
ソニー銀行の住宅ローンは、変動→固定、固定→変動という金利タイプの変更が何度でも可能です。
しかも、原則的に手数料は必要ありません。
他の銀行の場合には、金利タイプの変更は固定期間終了時に限るとされている商品がほとんどですが、ソニー銀行住宅ローンは金利タイプを変えたいと思ったタイミングでいつでも変更することが可能です。
今は、歴史的な低金利水準ですので、住宅ローンを借りる多くの人が変動金利を選択しています。
しかし、今後金利情勢が上がってきた時に、ソニー銀行住宅ローンであれば、いつでも固定金利へ変更することができます。
つまり、最初は変動金利で低金利を享受しながらも、変動金利最大のデメリットである、金利が上昇するリスクを固定金利へいつでも変更できることで、排除することができるのです。
なお、固定金利から変動金利へ変更する場合で、金利が変更前よりも下がる時には金利変更手数料が発生することがあるので注意しましょう。
保証料がかからない
多くのネット銀行住宅ローンと同じように、ソニー銀行住宅ローンも保証会社が必要ない、プロパー住宅ローンです。
このため、保証会社付の住宅ローンでは必要になる、借入額の2%?5%程度の保証料が必要ありません。
融資実行時に必要になる諸費用は、登記費用と印紙代を除けば、43,200円か借入額の2.16%の手数料だけになります。
諸費用が安いと同時に、これ以外の費用は発生しないので、借入時から住宅ローン借入に伴う費用はいくらなのかということが分かりやすいのがメリットです。
手数料は他と比較して低め
ソニー銀行住宅ローンは、手数料が他のネット銀行住宅ローンと比較して安いというメリットがあります。
例えば、低金利で有名な、住信SBIネット銀行や、auじぶん銀行住宅ローンの手数料は借入額×3.24%ですので、ソニー銀行住宅ローンの方が、1%手数料が低くなります。
「たった1%」と思うかもしれません。
しかし、1000万円につき、10万円の違いですので、この違いは実はかなり大きいと言えます。
また、手数料が低い「住宅ローン」のような商品も他の銀行にはなく、他の銀行の住宅ローンの手数料は基本的に一律となっていますので、借入額が少なく、借入期間も短い人にとってもソニー銀行住宅ローンはやはりメリットがあると言えます。
ATM手数料無料
ソニー銀行は顧客のランクが、「通常」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」という4段階に分かれています。
住宅ローンをソニー銀行から借りるだけで、ランクが「シルバー」になりますので、住宅ローンを借りると、月7回までATM手数料が無料になります。
ネット銀行は便利ですが、ネックとなるのがATM手数料です。
無料の回数は月3回までなどとなっていることが多いので、月7回まで手数料が無料になれば、よほどこまめにお金を引き出さない限りは、手数料をかけることなく、ソニー銀行の口座からお金を出し入れすることが可能になります。
こちらも他の銀行にはそれほど多くはないソニー銀行住宅ローンのメリットということができるでしょう。
仮審査回答は非常に早い
ソニー銀行は2018年5月から住宅ローン仮審査にAIを導入しています。
そのため、仮審査の回答が非常に早いという特徴があります。
ソニー銀行住宅ローンの仮審査回答は最短60分です。
大手消費者金融のカードローンの審査回答時間が最短30分ですので、住宅ローンでありながら審査の回答スピードは圧倒的に早いということができます。
筆者の勤務していた銀行では、仮審査の回答は早くて3営業日、遅い場合には1週間程度の時間がかかることがありました。
保証会社付の住宅ローンにおいては、一度住宅ローンの申込を受け付けて、その後に保証会社にFAXなどで送付して、保証会社が審査を行うので、どうしても仮審査に回答が出るのに時間がかかるのです。
この点、ソニー銀行住宅ローンは、保証会社が存在せず、ソニー銀行内部でAIを活用して審査をするので、非常に早い審査スピードを実現することができるのです。
中古物件の購入を希望する時などは、資金的な手当は早めに行わないと他の人に買われてしまう可能性があるので、このような場合に、ソニー銀行住宅ローンは強い味方になります。
借り換えの場合は金利が高くなる
先ほどの金利一覧でもお分かりかと思いますが、ソニー銀行住宅ローンは借り換えの場合には、自己資金10%以上の金利よりも0.05%金利が高くなります。
借り換えを促進するため、住信SBIネット銀行や、イオン銀行などでは借り換えの際には金利が新規借入よりも優遇されますが、ソニー銀行はこの反対です。
借り換えでも店舗型銀行住宅ローンよりも金利は低いのですが、やはり、ソニー銀行住宅ローンは、新規借入時に自己資金が10%以上ある場合に大きなメリットを発揮する住宅ローンということができます。
住宅ローン借入による特典多数
先ほども説明したように、ソニー銀行で住宅ローンを借りると、シルバーランク以上の会員ランクが確定します。
シルバーランクになるメリットはATM手数料だけではありません。
主には以下のようなメリットがあります。
- 国内VISA加盟店で1%のキャッシュバック
- 他行宛て振込手数料月4回まで無料
- ソニーストアでの購入代金いつでも3%オフ
- アート引越しセンターの引越し基本料金25%オフ
地味ですが、引越し基本料金25%オフというのは非常に大きな特典です。
住宅ローンには引越しがつきもので、転居に伴う費用がバカにならないためです。
ソニー銀行で住宅ローンを借りると、金利や手数料以外にも様々なメリットがあります。
団信の特約が豊富
詳しくは後述しますが、ソニー銀行住宅ローンは団信も特約が豊富です。
銀行によって団信の特約は大きく異なり、がんに特化した保障が用意されていなかったり、ワイド団信がなかったりなどすることが多いのですが、ソニー銀行は必要とされる特約がほとんど用意されています。
「住宅ローンを借りたら保険の見直しができる」と言われるほど、団信の保証はメリットが大きいですので、「団体信用生命保険にこだわりたい」という人は、ソニー銀行住宅ローンは有力な選択肢の1つとなるでしょう。
ソニー銀行住宅ローンの審査のポイント
ソニー銀行住宅ローンの審査基準は公開されていません。
まして、AIが審査に関与しているので、なお、他の住宅ローンと異なる点がある可能性があります。
しかし、保証会社が存在せず、AIが厳格に審査を行うソニー銀行住宅ローンの審査はかなり厳しいことが予想されます。
また、店舗型の住宅ローンでは、他行と競合していたり、高額預金者の子供であるような場合には審査に融通がきく場合がありますが、ソニー銀行住宅ローンの審査はそのような融通がきかないものと考えられます。
最低限以下の3点については押さえておかないと審査通過は難しいでしょう。
年収などの基準は厳しい
ソニー銀行住宅ローンの申込条件には「前年度年収400万円以上」という基準があります。
住宅ローンは年収400万円くらいはないと、希望額を借りることは難しいのですが、実際に「年収400万円以上」という、申込条件を明確にしている住宅ローンはそれほど多くはありません。
筆者が勤務していた銀行では「前年度年収200万円以上」というものでしたので、最初から400万円という日本人の平均年収並みの基準を設けているソニー銀行住宅ローンは、ある程度の年収がある人でないと審査通過は難しいでしょう。
400万円と言わずに、600万円程度の年収があった方が審査通過しやすいと言えるでしょう。
勤続年数は3年以上は必要
住宅ローンに求められるのは、長期間安定すると見込まれる収入で、その1つの基準が勤続年数です。
最低でも3年以上は勤続年数がないと、審査に通過することは難しくなります。
勤続年数3年未満の人は離職率が高いためです。
勤続年数3年未満の人は、3年が経過するまで待ってから申込をした方がよいですし、転職の予定がある人は、転職して勤続年数が短くなってしまう前に住宅ローンに申込をした方がよいでしょう。
融資金額は担保評価の範囲内
他の住宅ローン同様に、ソニー銀行住宅ローンも担保評価額の範囲内までしか融資を行いません。
まして、ソニー銀行住宅ローンは、自己資金がある方が金利が低くなるという特徴を持った住宅ローンですので、担保割れには非常に厳しい目線で審査を行うことが予想されます。
基本的には自己資金を購入価格の10%以上用意して、担保評価額に対して借入額に余裕がある方が審査には通過しやすくなると言えるでしょう。
ソニー銀行住宅ローンの団信特約
ソニー銀行住宅ローンは、団体信用生命保険の特約が非常に豊富です。
特約の内容と保険料は以下のようになっています。
特約 | 保障内容 | 特約保険料 |
がん団信100 | がんと診断確定時に住宅ローン残高の100%+100万円を保障。
さらに、がん保障特約で保障されない上皮内がん・皮膚がんの場合も、50万円を保障。 |
金利+0.1% |
生活習慣病団信 | 「がん団信100」に、短期(5日以上連続)・中期(31日以上連続)・長期(10種類の生活習慣病で継続して180日以上)の入院保障がプラスになる。 | 金利+0.2% |
3大疾病団信 | 「がん団信100」に、急性心筋梗塞・脳卒中で所定の状態になったときの保障がプラスされ、
|
金利+0.2% |
がん団信50 | がんと診断確定時に住宅ローン残高の50%を保障。 | 上乗せなし |
ワイド団信 | 通常の団信よりも緩い基準で審査が行われる | 金利+0.2% |
このように、ソニー銀行住宅ローンの特約は、がん団信が基本になり、そこに対して、生活習慣病や3大疾病などに対して特約をつけていく形になります。
住宅ローン団信の中には、がんに対して特別な保障をしていない団信も少なくありません。
この点、ソニー銀行は、がんに対して手厚い保障を行いながらも、他の病気をカバーするというスタンスになっているので、がんが心配な人にはメリットの大きな団信ということができます。
さらに特約保険料なしで、がんと確定診断されたら50%が保障される「がん団信50」もメリットが大きいと言えます。
また、筆者は銀行員時代に、住宅ローンの審査そのものには全く問題がないのに、最後の最後で団信に加入することができずに、融資をすることができなかったという経験が何回かあります。
ソニー銀行住宅ローンにはワイド団信があるので、一般団信の審査に落ちてしまった人でも、ワイド団信でリトライすることができ、持病がある人でも団信に加入することができる可能性があります。