2018年にビットコイン&仮想通貨が暴落しましたが、実は2014年の暴落時の状況と酷似していました。
2014年
・NHKで初のビットコイン特集が組まれる
・中国の規制
・マウントゴックスのハッキングによる流出事件
2017年~2018年
・日本で仮想通貨のCMが連日で放送される
・中国の規制
・コインチェックのハッキングによる流出事件
目次
ビットコインの暴落 ブーム終焉 バブル崩壊の2018年
メディアやCMでの認知度アップ
「仮想通貨ブーム元年とも言える2017年ビットコイン価格高騰の理由」の記事で書きましたが、日本では2017年はテレビで特集が組まれたり、年末のボーナスシーズンにCMが大々的に放送されたこともあって、ブームというより一種のバブル状態にありました。
この時期のビットコインのグローバルでの取引状況を国別に見ると、約6割が日本の投資家です。
2017年12月15日には221万円超の過去最高価格を記録。
しかし、急激な価格の上昇からのバブル状態というのは、とあるきっかけで弾けてしまうことを内包しているということでもあります。
中国の規制が入った
経済活動や社会生活に国の規制の多い中国。
その規制から自由を求める中国経済人の間で仮想通貨やビットコインへの投資が行われ、特にビットコインのマイニング(採掘)は世界最大のコミュニティーを抱えていました。
しかし中国は、国内の仮想通貨取引所を閉鎖させるなど仮想通貨の国内普及に否定的でした。
2018年1月には、中国人民銀行の副総裁が「仮想通貨の取引所や個人、企業が提している仮想通貨関連サービスを禁止すべき」との意見を述べたことは、ひとつ暴落のきっかけとなりました。
韓国でもまた、同じく2018年1月に仮想通貨の取り締まりを強化。入金時には取引所で本人確認が必要になるなど規制を強めます。
この辺の影響があってか、2018年1月5日の198万円から右肩下がりで下がり続け、1月19日には、1ヶ月前の最高値から27%減の144万円ほとまで下落してしまいました。
コインチェックのハッキング流出事件
さらに追い打ちをかけたと言えるのが、コインチェックのハッキング流出事件です。
2018年1月26日に外部からの不正アクセスにより仮想通貨の「NEM(ネム)」のほぼ全額、約580億円分がコインチェックから流出しました。
2014年に日本のビットコイン取引所だった「マウントゴックス」が約470億円分を消失させて以来、過去最大の仮想通貨の流出です。
参考:日経「コインチェックの仮想通貨不正流出、過去最大580億円」
これによって仮想通貨の安全性に不安を持った人たちがビットコインも手放す流れとなり、価格の右肩下がりが続くことになりました。
※事件後コインチェックはマネックス証券株式会社を子会社に持つマネックスグループ株式会社に買収され、現在はコンプラや安全性が格段に上がっています。
米国企業の規制
トドメとなったのがアメリカ企業の規制です。
2018年1月30日にFacebookがビットコインをはじめとする暗号資産の広告掲載を禁止することを発表。
すると2月9日にはビットコインの価格が92万円台を記録し、年始193万円台だったことと比較すると1ヶ月で約52%の下落となってしまいました。
続く3月にはGoogleとTwitterも同様の発表をし、その影響もあってか4月上旬には約70万円まで下落します。
仮想通貨取引の中心地であるアメリカの巨大IT企業が、仮想通貨に関する広告の掲載禁止を発表したことにより、ビットコインの価値に対する信用が低下したと考えられたのでしょう。
価格はその後も復調することなく、12月には30万円台まで下落していきます。
大和総研のビットコイン価格下落レポート
大和総研の研究員の方が、2018年2月8日付で出したビットコイン下落のレポートがありますね。金融分析のプロの方の意見もぜひお読みください。
ビットコイン価格はなぜ下落したのか?
注目される中国における規制強化の影響
金融調査部 研究員 氏[要約]
2018 年1月以降、ビットコイン価格が下落に転じた一因として、中国における仮想通貨への~
https://www.dir.co.jp/report/research/capital-mkt/securities/20180208_012729.pdf
引き続き低迷の2019年~2020年10月
グラフを見ると一目瞭然ですが、2018年12月に30万円台まで下落してから2019年4月頃まで低迷期が続きます。
2019年5月頃から上昇トレンドに転じ6月には約150万円まで値上がりしたのですが、長くは続かず9月頃からは下降トレンドになってしまいました。
そのまま下降トレンドはジリジリと続き100万円台を割り続け、2019年の年末には70万円台に突入。
しかし2020年に入ると1月中旬頃から上昇相場に反転します。2月になる頃には約100万円まで回復しました。
ところがその後は急落し、ビットコインの価格は3月13日には50万円台まで値を下げます。わずか1か月ほどで、約半分の価値になってしまうほどの急落ぶりでした。
ちなみに、この時の下落は3月11日にWHO(世界保健機関)が新型コロナウイルスについて、「パンデミック(世界的流行)の状態にある」と発表したことにより、金融市場全体に不安が広がり、株や金など暗号資産以外の価格も急落しました。
コロナによる影響がその後もしばらく続くかと思われましたが、各国政府による大規模な金融緩和策などの効果により、ビットコインの価格は再び上昇。5月12日には3回目となる半減期を迎え、1BTC=約100万円まで回復します。
その後も、DeFi(分散型金融)の人気などにより市場全体が堅調に推移していき、2020年10月、ビットコインの価格は約130万円まで値上がりしています。
この後は、急激にビットコインの価格は上昇していくことになります。
続きは「ビットコイン急騰の2020年11月から700万円台を記録した2021年。そして2022年のウクライナ侵攻」(準備中)にて。